この春施行の働き方改革関連法案で、全ての会社において最低5日の有休休暇の取得が義務付けられました。

面談では“休みがとりにくい”という話を長年に亘って沢山沢山、伺ってきましたが、これまで休みを取りにくいと感じてこられた皆さん、そろそろ交代で夏休み、取れそうですか?日程を調整して今年はしっかり休むぞ!という方も多くいらっしゃるでしょう。

旅を楽しみにしている方も多いと思いますので、今回は、旅が私たちのメンタルヘルスに与える影響についてお話しします。

旅と思い出に関する調査

1990年代、ワシントン大学が12日間のヨーロッパ旅行の群、感謝祭を使った5日の旅行の群、3週間の自転車旅行の群と3つの群を調査しました。

この調査で、実際にはトラブルがあったり、嫌なことがあったりした人たちも、旅を(実際より)ずっと楽しかったと想起する傾向が顕著でした。旅では小さな嫌なことは忘れてしまうというわけです。

これは私たちの記憶の特徴のひとつで“Rosy retrospection”といわれるものです。小さな嫌なことに関する記憶はポジティブな記憶に比べて薄らぐスピードが速いのです。

Rosy retrospection

“rosy”には、“バラのような”、“バラ色の”といった意味のほかに“明るい、陽気な、楽観的な”という意味があります。“retrospection”は“回想、追憶”という意味です。

とりわけ、”楽しみな”出来事において、実際のその場面よりもずっと楽しいと感じたり、小さな嫌なことを忘れてしまう傾向が特に強まるといいます。この“Rosy retrospection”のお蔭で、私たちの自尊感情や幸福感が高まることも明らかとなっています。

旅、特に楽しな旅は私たちのメンタルヘルスの向上に大いに役立つわけです。

仕事への応用?

さて、この効果を、仕事に応用できないかしら・・・小さな嫌なことを忘れて楽しい思い出に変えることができれば、私たちのストレスもずっと軽減できますものね。

ヒントは“楽しみな出来事”にあるようです。あまり変わり映えのしない日常と思ってしまわず、何か楽しみな出来事が見つかるよう、工夫してみましょうか。

夏休みが近い方はあと一息、ちょっとした嫌なことも楽しい思い出に変えてリフレッシュしていきましょう!