カヌー選手による禁止薬物混入問題

カヌー選手がライバルに禁止薬物を混入したという事件に衝撃が走りました。

1908年のロンドンオリンピック当時のIOC会長で近代オリンピックの創始者といわれるクーベルタン男爵は、「オリンピックで重要なことは勝つことではなく、参加することである。人生で大切なのは成功することではなく、努力することである。根本的なことは、征服したかどうかにあるのではなく、よく戦ったかどうかにある」と述べました。

「オリンピックは参加することに意義がある」という部分が有名ですが、オリンピックに参加することにクレージーとなるあまりに“征服したかどうかではなく、良く戦ったかどうかが根本である”ことを見失った事件と理解してよいでしょう。

 ライバル

スポーツ選手が長年にわたり努力を重ね、“よく戦う”上で、よいライバルの存在が非常に重要であることは知られています。ライバルとは、自分と同等もしくはそれ以上の力を持ち、競い合いながら高めていける関係で、信頼し、尊敬し合える関係の上に成り立つものです。

冒頭に触れた1908年のロンドンオリンピック当時は、ホスト国イギリスと急速に力をつけてきたアメリカとの対立が絶えず、競技場でむき出しのけんかが行われたり、審判の判定に抗議して決勝をボイコットしたりということもあったそうです。これではライバルとはいえません。

さて、ビジネスではどうでしょう。ライバルという言い方とは違うかもしれませんが、入社の同期、学生時代の友人、勉強や趣味の仲間など、切磋琢磨できる仲間の存在は互いのモチベーションを高め、成長を牽引する力となります。同期や同僚の間でポジションや昇進を巡って厳しい競争の渦中にある方も多いかもしれません。陰口や悪口で人を傷つけるようなやり方ではなく、互いの力を認め合い、信頼し、尊敬し合って共に成長できれば素敵なことです。

「人生で大切なのは成功することではなく、努力することである」

今年も頑張りましょう。