コロナ感染が落ち着いてきて、街の人出は随分戻って来ましたね。この週末、御徒町を歩いていたら、以前は閑古鳥だった屋台に多くの若者や家族連れが訪れ、昼から飲んでいる姿がみられました。飲み過ぎないように!と祈りつつ、楽しそうに和気あいあいと過ごす姿を見て私も心が和らぎました。

一方、人との接点が増えて来たせいか、ひどくイライラしていない?と思う人が目につくこの頃です。

日曜日の夕方のスポーツジムでのことです。プールがあるジムで、子供スイミングでは大勢の親が送迎に来て受付が混雑しています。そんな中、女性が大声でスタッフを怒鳴りつけていました。フレーズはとても短く、「もう5分も待たされているのに、まだできないの!!!」というものでした。何かの対応を依頼していたのだろうと推察しますが、まるで若手の部下を叱りつけるような口調だったので、混雑する受付の空気は凍り付きました。

まず私が驚いたのが、「週末の子供スイミングで、5分待つくらいでそんなに怒る?」でした。次に思ったのが、「ああ、この方、かなりストレスたまってるんだな」です。また、「久々に大声を聞いたな」とも思いました。コロナ前はスーパーで店員を大声で怒鳴り散らすおじいさんをあちこちで見かけましたが、コロナで彼らの外出が減ったのか、マスクの効果か、以前ほど出くわさなくなりました。久々に怒鳴り声を聞いて私はびっくりし、嫌な気分になりました。

多分この方は仕事も家庭も子育ても頑張っていて、週末も子供のためにと目一杯スケジュールを組んでおられるのでしょう。僅かのずれも生活リズムに影響すると感じておられるのかもしれません。とりわけ日曜日の夕方は気鬱になりやすい時間帯です。

彼女の振る舞いは、私にとっても、「もしや自分もこれをやっていなか」とヒヤリとし、同時に「ああなりたくはない」と思うものです。

日本語というのは難しいです。「もう5分も待たされているのに、まだできないの!!!」・・・これは二つの文章をくっつけて、かつ「できない」というネガティブワードで終わっているために大変攻撃的な印象を残すフレーズです。

こんな時、「5分待たされています。いつ対応してもらえますか?(あるいは早く対応してほしいです)」と言えれば、攻撃的な印象はグッと減ります。自分の状況と、自分の気持ちを言葉にすればいいのです。自分の怒りも和らぎます。こうした言い回しは日常会話の中で手軽に出来る訓練です。

リモートワークが解除されて元の出勤となり、人間関係のストレス再燃、という人も多いことでしょう。在宅や交代勤務で一旦慣れた生活リズムがここでがらりと変わるのですから、年度替わりと相まって大きなストレスを抱えやすい時期です。

コロナが落ち着いてきて嬉しい反面、人間関係のストレスをより強烈に感じてしまうことがあるでしょう。イライラしている自覚がないと今回の例のように怒りがダダ漏れとなってしまいます。自分の精神状態を冷静に観察し、ストレスのコントロールを上手に行い、職場でもプライベートでも人を不快にさせない言葉遣いを心がけていきたいものです。