オミクロン株の脅威はあるものの足元の感染状況は落ち着き、人々が連れ立ってショッピングや食事に出かける姿をよく見かけるようになりました。

クリスマスの飾り付けが街を彩るようになる11月ころから年末にかけて、楽しい、幸せな気分となる人がいる一方で、徐々に孤独感や気分の落ち込みが悪化する人が多くいます。

年明け2週ほどすると徐々に気分が回復してくる場合が多いのですが、こうしたホリデーシーズンにまつわる落ち込みを「ホリデー・ブルー」と言います。

ホリデー・ブルーの背景

ホリデー・ブルーに陥る理由は人によって様々です。主に以下の点が挙げられます。

①家族や親しい人との様々なイベントが“幸せで楽しいものである”というイメージが強いこと

・・・家族との関係が大きなストレスである人にとって、家族の集いは大きなプレッシャーとなります。一方、家族に会いたいのに会えない、大切な家族を亡くした、親密と呼べる人がいない、方にとっては、人々が集って幸せそうに見えることはとても辛いものです。私たちがホリデーシーズンに抱くイメージが私たちを苦しめることがあるのです。

②クリスマスや年末年始にまつわる準備のストレス

・・・ご馳走づくり、大掃除、贈答品の手配、年賀状の準備など、この時期は細かい活動がさらに増えます。とりわけ完璧主義の方には大きなプレッシャーです。コロナ禍でおうち時間が増えて家事負担が随分増した方は多いでしょう。あれもこれも頑張ろうとしてスケジュールが過密となり、疲労、焦り、不安が高じることがあります。

③出費が増えることに伴う経済的なストレス

・・・飲食やプレゼント、自分へのご褒美など、計画以上に使ってしまって自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。

ホリデー・ブルーへの対処

一年の中で特別の時期であることに間違いはありませんが、様々な事柄に対する「こうあるべき」「こうすべき」という固定観念を緩めることがまず大事です。

周囲の人を気にしやすい時期であることが疲れを招きます。まずは自分自身の状態に注意を払いましょう。睡眠、食事、適度な運動、気晴らしなど、日頃のストレスケアを忘れずに。

年が明けて2週、3週たっても気分が回復してこない場合には、冬季性うつ病など、気分の変調が心配ですので、専門家に相談なさることをお勧めします。

調子を崩しやすい時期ですので、どうかお気をつけてお過ごしください。