先日、雲にぽっかり穴の開いたような、「穴あき雲」が日本各地で見られました。「横になった猫のよう」、「龍の目みたい」など、空を見上げた方たちのつぶやきに心が和んだものです。

私自身、室内にこもってPCやモバイルに向かう時間が長くなり、目線を遠くに運んだり、雲の形で何かを連想してみたり、そんな時間を持ってこなかったことにハッと気づくきっかけにもなりました。

穴あき雲と過冷却

穴あき雲は、雲粒が氷点下にありながら凍結していない「過冷却」の状態にある時に、ある1点で凍結が始まると氷晶が急速に成長して落下を始めてできるのだそうです。

過冷却は、水であれば摂氏零度以下でもなお凍結しない状態で、衝撃を与えると急激に凍るという性質があります。

過冷却とストレス

コロナ感染拡大に伴い人々の行動や経済が冷え込んできました。

予想外の業務が増えて過重な労働となっている職場もあれば、予定した仕事がなくなって、手持無沙汰で人間関係がかえって緊張する職場もあります。また、リモートワークができる部署、できない部署で互いの不公平感や不満が募っている様子です。

皆さんの職場のストレス状態、高まっていませんか?この非常事態は私たちのこころをじんわりと固くするので注意が必要です。

過冷却の状態では、同じ水でも、一瞬の衝撃で急速に凍り付いてしまいます。

自分では気づかぬうちに過冷却の状態の中で踏ん張って過ごしているということを、改めて自覚していきましょう。

ほんの僅かな衝撃

職場や家庭、そして社会全体がピリピリしている状態では、つい大声で感情的な発言をしてしまったり、態度で嫌悪感を示してしまったり、ほんの僅かのことが周りを凍り付かせる衝撃となることがあります。

外出自粛で気晴らしの方策は限られていますが、空を見上げるなんていうのも、身近にできるストレスマネジメントです。こころを温めたり緩めたりしながら困難とうまく付き合っていきましょう。