新型コロナウィルス対策で在宅勤務の割合が増えている方が多くおられることでしょう。

私自身も面談や研修などの対面業務が減り、在宅時間が増えました。1日24時間というのは変わらないのに、時間がなかなか過ぎないように感じる日もあれば、あっという間に過ぎる日もあり、私の時間感覚は伸びたり縮んだりしていますが、皆さんはいかがでしょうか?

今回は、私たちの主観的時間感覚についてお話します。

主観的時間感覚とは

私たちは楽しい時や忙しい時は時間の経過を早く、退屈な時や何かを待っている時には時間の経過を遅く感じる傾向があります。

客観的には同じ時間なのに、主観的な時間感覚は何故変わるのでしょうか。

主観的時間感覚=意識的な情報量/無意識的情報処理速度 と考えられています。この値が小さい状態は時間を早く、大きい状態は時間を遅く感じます。

楽しい時、忙しい時は無意識的情報処理速度が速まるので、主観的時間感覚は小さくなり、時間が早く過ぎるように感じます。

一方、退屈な時や、何かを待つ時は外の情報に注意が向き、細かな意識的情報量が多くなるので、時間を遅く感じます。

主観的時間感覚とメンタルヘルス

不安や恐れを感じていると、時間の経過を遅く感じることも明らかとなっています。不安や恐れを感じている状態は、命を守るためにより細部の情報収集をより多く行うためだと言います。

何度見ても気の滅入る情報しかないことがわかっていても、日本や海外のニュースを細かくチェックしている自身の行動を振り返ると、そんな日は確かに時間がなかなか進まないように感じます。

日々新型コロナウィルスに関連する膨大な情報量があり、それらは私たちの不安や恐れにつながっていきますので、放っておくと主観的時間感覚としては、長く、辛いものとなりがちです。

主観的時間感覚の質の向上を目指して

新型コロナウィルスとの闘いは長期戦となりそうです。〝辛い時間がなかなか過ぎない“ことに苦しむことは大きなストレス因となりかねません。主観的時間感覚をポジティブなものとし、精神的な安定を図るためには、むしろ客観的な時間の経過に従い、生活していくことが大切といわれています。

在宅でこなせる仕事には限界はあると思いますが、家でできる仕事があることは、生活リズムを整える上で大きな助けとなります。

仕事がキャンセルとなったり、通勤時間が不要となったり、突然ぽっかり時間が空いてしまって困っている方も多いと思いますが、就寝、起床時間といった睡眠リズムをこれまでどおり保つことはもちろん、食事の時間、洗濯・掃除の時間など、在宅時の新たな日課や時間割を設け、客観的な時間に沿って規則正しく生活することを心がけましょう。

最低限の日々の生活を毎日健康的に過ごせたなら、その一日の自分を褒め、身近な人に感謝しましょう。「今日も良い一日を過ごせた」、その振り返りが長く辛い時期を乗り越えるためのポジティブな主観的時間感覚につながるように思います。