先日、久々に昔からの友人数名と会いました。懐かしいのであれこれ話したいのだけれど、肝心の固有名詞や名前で「ほら、あれ・・・」と言葉に詰まり、もどかしく感じることがありました。

友人が「ああ、○○ね」と教えてくれて、私のもやもやは解消されましたが、皆さんもこのように「喉まで出かかっているのに、言葉がでない・・・」経験ありませんか?

舌端(ぜったん)現象とは

自分がある事柄や言葉を知っているにもかかわらず、想起に失敗する状態のことを舌端(ぜったん)現象といいます。

舌端現象の対象となる様々な情報の中で、名前はとりわけ思い出すのが困難な情報と考えられています。

ある実験で、名前とプロフィールを被験者に見せて、何を覚えているかテストしたところ、その人の仕事や趣味、住んでいる街に関しては6割以上の人が思い出せたのに、名前は3割しか覚えていないことがわかりました。

名前の想起が難しい理由は諸説あるようですが主に以下の3点です。

①名前には外見、性格の手がかりになる情報がないこと

②名前と意味のつながりが弱いこと

③思い出す頻度が低いこと

加齢と舌端現象

舌端現象についてはもう一つ、高齢者は若者に比べて頻度が増えることは広く知られているところなのだそうです。

ただ、これも定説はなく、

①加齢に伴い言葉の検索がうまく働かなくなるという説

②高齢者が語彙が豊富なために舌端現象に陥りやすいという説

の2つがあるようです。前者は年齢を重ねた者にとっては厳しい説ですが、後者であればポジティブな印象が残ります。

舌端現象があったからといって落ち込んだりせず、コミュニケーションを楽しんでいきたいですね。