令和の新しい時代を迎えたこの連休、皆さま、いかがお過ごしでしたか?

日頃忙しく、時間があればやりたいと思っていたことも、いざ時間があると案外できなかった・・・私たちは必ずしも合理的に生活しているわけではないと、ひしひし感じています。

漢字の「はね」と「とめ」

日ごろ手書きから離れた生活をしているせいか、「令和」の手書きを見る機会が増えて、「ここは はねるんだっけ?」と些細なことが気になっていました。

私が気になったのは和の禾(のぎへん)の3画目を「はね」ている人のものです。「はね」と「とめ」は漢字テストの減点対象でしたが、ここは「とめ」と習っていたような・・・

ところが、行政上の指導としては、文字は伝達を目的としたもので、他の文字と間違えず判別できれば良いとの考えから、昭和24年の「当用漢字字体表」以来、”骨組みが読み取れるのであれば細部が違っていても誤りとはしない”という考え方が継承されているのだそうです。知りませんでした!

どうやら、教育現場においては先生方への周知が十分にはできず、昭和34年ころから漢字の採点はむしろ厳しくなっていったようです。

加えてパソコンの普及などによって印刷文字と手書き文字の違いも明らかとなり、文字の細部に必要以上に注意が向けられて正誤にこだわる傾向が出てきました。

文化庁の指針

こうしたゆき過ぎた流れに対して平成28年に文化庁が指針を出しています。令和の「令」は印刷文字と手書き文字が大きく違う典型例で、手書きのバリエーションも紹介されています。

学齢期のお子様のおられる皆さんはどうか、自分が受けてきた時代の教育と今は違うと肝に銘じ、漢字の「はね」と「とめ」に必要以上に厳しく指導しないでくださいませ。

文字へのこだわりと生産性向上

社内報告書の文字の大きさや行間、改行の仕方など、社内のルールがあまりに厳しくなり、その作成や修正に時間を取られるのがストレスという話を伺うことがあります。

もちろん、ルールが厳格化したのには理由があってのことと思いますが、文字による伝達という目的に鑑みて、必要以上に細部にこだわることは生産性を阻害しかねないものです。

伝達する内容を重視して細かいところは気にしない、そんなおおらかさも生産性向上の面では必要ではないかと感じています。

新たな時代の初仕事、しばらくは生活リズムの調整にひと苦労かもしれませんが、新鮮な気持ちを 大切に過ごしていきましょう!