滅多に風邪をひかない私ですが、不覚にもおよそ3週間、のどの痛みから始まって咳に悩まされてしまいました。風邪薬に随分お世話になったので、今回は医薬品を話題にします。

ジェネリックの普及

薬局にいくと「ジェネリックにしますか?」と聞かれることが増えましたね。ジェネリック(後発医薬品)とは新薬の発売後、数年から十数年後に開発され、新薬と品質、効き目、安全性が同等の薬のことです。

医療費節減のために厚生労働省は2018年―2020年の早い時期に普及率を80%とすることを目標としていますが、日本の普及率は68.9%(2018年3月日本ジェネリック製薬協会調べ)で、90%の普及率となっているアメリカはじめ、他の先進国に比べても低いことが課題とされているようです。

ジェネリックの選択

さて、皆さんは「ジェネリックにしますか?」といわれた時、どうしておられますか?「効果が同じで価格が安いなら迷わずジェネリック!」という方もいれば、「やはり新薬の方がブランドがしっかりしていて安心!」という方もおられることでしょう。

中央社会保険医療協議会が平成28年10月に行った患者調査(1016人対象)によると、ジェネリックの使用について、「少しでも安くなるなら利用したい」人が45.6%、「いくらか安くなるかに関わらず使用したい」人が17.2%である一方で、「いくら安くてもジェネリックを使用したくない」という人が12%いました。

「いくら安くてもジェネリックを使いたくない」という人を男女別にみると、男性が10.3%、女性が13%で、女性の方が高くなっています。
ジェネリックへの心理的抵抗感

ジェネリックを使いたくない人の理由は「効果や副作用に不安がある」というのが最も多くて72.6%、次いで「使い慣れたものがいい」が37.2%となっています。ジェネリックへの普及率を上げるにはこうした心理的抵抗感へのアプローチが必要となります。

私は今回、「ジェネリックにしますか?」と聞かれたので、そうしてみました。新薬とジェネリックと両方同時に試すことができないので、効果や副作用など違いは全くわからないのですが、なかなか治りが悪かったので「ジェネリックにしたせいじゃないか」と考えたりしていました。私自身にもジェネリックへの心理的抵抗感があることを実感した次第です。

お年寄りとジェネリック

年代別には「ジェネリック医薬品を使いたい・試したい」という人は29歳以下と20~39歳が5割以上を超えたのに対し、75歳を超えると3割程度に下がってきて、この群は「わからない」「無回答」が増えています。

私ですら、いきなり「ジェネリックにしますか?」と聞かれてビクッとしたので、ましてやお年寄りは「ジェネリック」のカタカナだけで抵抗や不信を感じる方も多いと思います。説明が長いのもお年寄りには理解しにくいので、丁寧でわかりやすく、コンパクトな説明がありがたいのかなと思います。・・・それって、心理職と同じ課題で、私たちは往々にして心理専門用語を口にしてしまいがちなので、改めて、注意しようと思います。

ひどい風邪が治りつつあるかと思えば今度は花粉症対策、この時期、油断ができませんね。

皆さんもどうぞお気をつけてお過ごしくださいませ。