今年はノーベル物理学賞とノーベル化学賞双方において女性研究者が受賞しました。

ノーベル物理学賞は55年ぶり3人目、ノーベル化学賞は9年ぶり5人目となる快挙ですが、女性の受賞者が選ばれにくいのではないかということが紙上で話題になりました。

女性科学者に対するジェンダーバイアスとは

バイアスとは、考えや意見、判断における偏りのことです。

「研究」という領域では、その計画、情報収集、結果の分析において、バイアスは結論を歪めかねない大きな要因となります。研究者は、研究にバイアスがかからぬよう徹頭徹尾努めます。

けれども、研究者が「研究者を評価する」に際しては”男性の方が女性より優れている”というようなジェンダーバイアスがかかりやすいことが指摘されています。とりわけ科学者の世界では採用や昇進、評価において、男性より女性のほうが低く評価される傾向があると言います。

これは私のバイアスになりますが、海外は日本より女性の活躍が進んでいるだろうと思いましたが、女性科学者に対するバイアスについての関連記事を調べてみると、まだまだと思う内容がそこかしこに見られています。例えば次のようなものです。

女性科学者に対するジェンダーバイアスの例

①男性が第一著者である論文は女性が第一著者である論文より多く引用される。トップの学術誌で引用される論文が多いことが採用や昇進においてとても重要なため、このことは長期のキャリアに影響する(https://www.electrochem.org/redcat-blog/rethinking-bias-science-on-womens-equality-day/より抜粋して和訳)

②女性の科学者は、研究助成金の応募において、「研究そのもの」より「研究者」として評価されると男性に負けてしまう(https://www.nature.com/articles/d41586-018-01212-0より抜粋して和訳)

③科学の世界は今なお男性社会であり、米国では、男性が得る平均の研究助成金が50万7千ドルに対して、女性は42万1千ドルに留まり、女性の平均給与は男性より18%低い (https://blog.frontiersin.org/2017/12/08/gender-bias-women-science-open-data/より抜粋して和訳)

こうしたことを考えますと、2人の女性科学者たちが研究自体の苦労だけでなく、女性に対するバイアスの中で、どれほど苦労してこられたかが偲ばれます。

今後はノーベル賞受賞者の選考に際して女性やマイノリティに対するバイアスなく検討するよう、世界中の推薦者に呼び掛けていくということです。女性の方が受賞が多いなんて言う時代が来たら素敵です。

ところで科学者のイラストを検索してみたら

このコラム用にイラスト検索しましたところ、ほとんどが男性科学者のイラストばかりでした!

科学者=男性という人々のバイアスの賜物ですね!!

で、結局掲載を断念。

ジェンダーバイアスの問題、根深いです・・・