貴乃花親方が日本相撲協会に”年寄の引退届を提出した”というニュース、親方が提出した書類が正式な退職届ではなく、また弟子の転籍願の書類に印鑑漏れがあるなどの不備のため、受理されなかったということでしたね。
相撲界の引退と退職
相撲界では引退は「現役を引退しても引き続き相撲界に留まること」、退職は、かつては「廃業」と呼ばれていたそうですが、「現役を辞めて角界に残らない場合や、親方が停年前に相撲協会から離れる場合」だそうです。
引退も退職も英語で言えばretirementでシンプルですが、新聞も「引退」と報道するところもあれば「退職」と報道するところもあり、相撲界に詳しくないと、わかりにくいものです。
花道の飾り方?
「花道を飾る」とは、華々しく引退する、惜しまれながら引退するという意味です。こうした古めかしい言葉は最近あまり耳にしなくなりましたね。
芸能界の安室奈美恵さん、相撲界の貴乃花親方、お二人とも花形でいらっしゃいましたが、引け際のプロセスは非常に対照的なものとなりました。
安室奈美恵さんの場合は、40歳という若さながら、おそらくはご自身の〝美“や〝芸”を完璧なまでに追及し、衰えを人々に晒すことを是としなかったのだろうと推察しています。「花道を飾る」の言葉通り、華々しい引退でした。
一方貴乃花親方の場合は、まだこの先の去就はわかりませんが、周囲とのコミュニケーションがうまくいっていない様子がうかがわれ、また、わかりにくいとはいえ提出書類の不備というのは基本的な確認漏れとなりますので、かつてのイメージが変わってしまいました。
”惜しまれながらの引退”となるのかもしれませんが、「花道を飾る」という表現には当たらないと感じています。
サラリーマンの定年延長
サラリーマンの世界では、2013年より定年延長が義務化され、2025年には65歳までの雇用が義務化されます。
42.195キロのフルマラソンのゴールがもうすぐと思ったら、「ゴールは5キロ先に変わりましたよ」といわれることは大きな戸惑いです。
お2人の対照的な姿、いずれもサラリーマンからみれば非常に早いですが、自分はいつ、どのように現役引退の時を迎えたいのか、そのためにどのような計画や備えが必要なのか、キャリアの集大成の時期について考えてみるのに良い折かもしれません。