この春入社なさった皆さん、夏休みは少しリフレッシュできましたか?
新入社員はどうしても職場で注目されてしまうので、皆さんからみると先輩方が仔細に観察しているように感じて、緊張が続いている人も多いでしょう。
育成者との関係についての相談
企業によって、メンター、トレーナー、インストラクターなど、呼び方は色々ですが、今頃の時期は育成者との関係についての相談がよくあります。
例えば以下のようなものです。
①何でも相談するよう言われて相談したら、内容が職場で筒抜けとなった。育成者に不信感がある。
②質問すると「そんなことも知らないのか」と言われるので質問できず、わからないままになっている。
③考えろと言われ、考えを述べると否定されるので、考えを述べる気を失う。
④育成者以外職場の同僚との接点がなく、孤独。
⑤嫌われている、疎まれているという思いがある。
育成者とは、日々顔を突き合わせてやっていかなければいけませんので、そこで関係が煮詰まってしまうことはとても辛いだろうと思います。
育成者がつくのは初めの1年だけ、という現実
もちろん育成者と良好な関係が取り持てるよう、対応を工夫してみるのも人間関係力向上の目標にはなりますが、入社して半年近くなってきて考慮するべきことは、「良かれ悪しかれ、この関係は来年3月で終わる」という現実です。
多くの企業では育成者がつくのは初めの1年だけです。
人間関係ばかりに目が向くと、肝心の業務や周辺知識の習熟が二の次になってしまいます。
視点を変えると見え方も変わる
これからの時間、“自分が業務で独り立ちするために、育成者から学べること”に焦点を当てて過ごしてみてはいかがでしょうか。
そう考えると、”育成者との人間関係の問題”は”自分の業務の習熟”という問題に比べて小さな問題とみえてきます。
育成者に聞きにくい質問なら、職場で聞きやすい先輩を見つけて上手に聞いてみればよく、あいにくモデルになりそうな先輩が職場にいないなら、この先輩のここは見習いたいなど、部分的にかき集めていけばいいでしょう。育成者を反面教師とみて学習したって良いのです。
自分にとって少しでも良い環境を、自分で工夫して作っていきましょう。
2年目社員の意外な反応
実は、2年目になって育成者が外れる時の反応には意外なものがあります。
「何も叱られず、優しくてよい育成者と思っていたが、振り返れば仕事のことをちゃんと教えてもらえず、2年目になって苦労している」
「当時は細かく、がみがみ言われるのが嫌だったが、今にして思えば、育成者が色々カバーしてくれていた。2年目になって守ってくれる人がいない不安を感じる」
「自分は嫌われていると感じて来たが、育成者自身のプレッシャーもすごく大変だったんだろうと思う。今は普通の先輩後輩の関係となり、前より打ち解けて話せるようになった」
「1年目で苦労した分、今はのびのびできている」
良かれ悪しかれ、あと半年。泣いても笑っても、とも言えるかな。
新入社員のみなさんからすると、初めて出会う育成者との関係の中に、企業のイメージや職場環境のイメージを持つことがあるかもしれませんが、その関係性の中だけに埋もれてしまうことがないよう、お過ごしください。