職場では交代で夏休みの時期に入っておられることでしょう。皆さんの職場では、休みは取りやすいですか?
有給休暇最低5日取得の義務化
働き方改革関連法案のひとつとして、年次有給休暇を最低5日取得することが義務化され、来年4月から施行されます。企業規模の大小に関わらず、10日以上の年次有給休暇を持つ全ての労働者が対象となります。
さて、日本の労働者の有休取得状況はどうなっているのでしょうか。
日本の労働者の有給休暇取得状況
厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、2017年調査では平均付与率18.2日に対して平均取得日数は9日で取得率は49.4%でした。ここ数年取得率の改善の兆しは見えているものの、取得率の低さは世界最低水準と言われています。
では、有休取得5日未満の方はどれくらいいるのでしょう。経団連が先日発表した調査結果を見てみましょう(「労働時間等実態調査2018年、400社187.6万人対象)。
製造業・管理監督者で9.9%、製造業・一般労働者で5.5%、非製造・管理監督者で25.2%、非製造業・一般労働者で14.4%の方が、有休取得5日未満という結果です。製造業より非製造業、一般労働者より管理監督者において該当する方が多い傾向があります。
有給休暇の取得を推進する企業のPRが目立つ一方、有休を5日未満しかとれない方たちがこれほど多いのは深刻なことです。来年4月以降、労働基準法違反となった場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となりますので、これらの対象企業は早急な対策が問われるところです。
有給休暇を取りにくい理由
有休をとりにくいと感じる理由としては、「みんなに迷惑がかかると感じる」、「職場の雰囲気で取得しづらい」、「上司がいい顔をしない」、「昇格や査定に影響がある」などが指摘されています。
残業制限、有休取得の促進といわれても「仕事が減らぬまま勤務時間が極端に短縮されて超過密な労働となった。人を増やしてほしいという要望も通らない」など、かえって働きにくくなったという声も上がっています。
適切な人員配置や業務負荷の再検討など経営全体の問題の改善なくして、ただ、「早く帰れ」、「休みを取れ」といっても働きやすい職場環境の実現は難しいでしょう。
今般の法制対応が自分のプランやニーズに応じて休みの取りやすい環境が実現するきっかけになってくれればと願います。