
日本橋のタイムカプセル
過去の数々の不祥事も含めて度々話題になるこのフレーズ、今回は「記憶」がテーマです。
記憶の3つの過程
記憶には、記銘(覚える)、保持(覚えておく)、想起(思い出す)の3つの過程があります。
「記憶にございません」といわれたら、すかさず
①そのエピソードが記銘されなかったという問題か
②記銘はされたが、保持がされなかったという問題か
③記銘も保持もされたが想起ができないという問題か
尋ねてみるのは有効かもしれませんね。
記憶の種類や性質
記憶には短期記憶と長期記憶の2つの種類があります。
短期記憶は一度に覚えられる記憶のことで、保持時間は15~30秒程度、容量は7プラスマイナス2項目程度と限定的なものです。
一方長期記憶の容量は無制限で、永続的に保持される性質があります。長期記憶にはいくつかの種類があり、
①エピソード記憶:いつ、どこでといった時間的・空間的文脈が明確な出来事に関する記憶
②意味記憶:一般常識や歴史上の事実、定義などの記憶
③手続き記憶:技術や習慣、手順などの記憶
が代表的なものです。
いつ、どこで、誰に会ったかという出来事の記憶は、長期記憶の中のエピソード記憶に関するものです。
長期記憶は短期記憶と異なり、無制限、永続的に保持可能な性質ですので、エピソード記憶がないという理由づけはかなり苦しいものとなります。
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新年度となり、新しい資格や勉強に取り組んでおられる方も多いのではないでしょうか。
実は私も新しい勉強に色々取り組んでいるところなのですが、この“記憶にございません”、別の意味で痛切な問題です。
一度に大量に覚えようとするので短期記憶の容量オーバーなのか、はたまた記憶の3つの過程の問題なのか・・・記憶の性質を踏まえて自分を振り返ると取り組むべき記憶力の課題が明確になるように思います。悲観せずコツコツやっていきましょう。