今年もはや、上期の終わりに差し掛かりました。期初に立てた目標の達成が気になる頃と思います。

働き方改革で、残業制限や有休の取得、同時に生産性向上にも取り組んでおられると思いますが、職場によっては以下のような困難があるようです。

① 残業を減らすための仕事の合理化は課題とはなっているものの、コンプライアンスの問題やミスなどのリスク回避の観点から、簡略出来るプロセスには限りがあって実際には仕事を減らすことが難しい。

② 残業できなくなったため、日中の労働が過密となって皆の余裕がなくなった。成果に直結しない仕事の押し付け合い、予想外の事態への対応困難、同僚との連携や対話不足が生じている。

③ 目先の仕事をこなすだけで精一杯で、期初に掲げた新しい付加価値の高い仕事への取り組みに回す時間が取れなかった。

2種類の労働生産性

生産性には物的労働生産性と付加価値労働生産性の2種類があります。

物的労働生産性とは、生産量÷労働量、付加価値労働生産性とは、付加価値(企業が新たに生み出した金銭的価値)÷労働量です。

①~③は、より短い時間で元の仕事量をこなす物的労働生産性向上のプレッシャーに加えて付加価値労働生産性向上のプレッシャーも抱えているという例となります。ストレスマネジメントの観点からは、労働時間に関して自分の裁量が働かない、という思いも辛さを増すものとなっています。

さて、皆さんの職場はいかがでしょうか。大量の仕事をミスなく迅速に行うことを求められる(物的労働生産性の向上)職場、定型事務は殆どなく、アイデアが勝負の(付加価値生産性向上)職場、その両方を求められる職場、色々でしょう。

付加価値につながるようなアイデアを生み出すためには、空想する心の空間がとても大事です。③の例のように、物的労働生産性だけで目一杯という状況ではアイデアを生むことは難しいものです。

物的労働生産性向上と付加価値労働生産性向上を同時に求められるよう感じておられる場合は、大変なストレスと推察します。限られた時間制約の中で、どちらがより求められるのか、必要に応じて上司と相談しながら優先づけしていかれると良いでしょう。企業によっては今年から大幅な残業制限となったところもあると思います。過密な労働で疲弊しないよう、留意なさってください。

(写真は見事に実った稲)