ストレス耐性とはストレスに耐える力を意味し、ストレスとなる出来事に対処していく力のことをいいます。
新年度は様々な環境変化に満ちた時期です。
それまで自信をもって仕事に取り組んできた人こそ気を付けていただきたいこと、それは、環境変化を経験すると、一旦自分のストレス耐性が弱まったかに見えることです。
「今回の異動では仕事になかなか馴染めない。もともと自分の能力が低いせいだ」「自信をもって取り組んできたつもりだが、今の部署では思うように働けていない。変化が苦手な自分はダメ」など、それまでの自分に対するイメージが変わってしまって苦しむ方が多くおられます。
ここにストレスと生産性のイメージ図があります。
あまりに張り合いがないと(ストレス低)生産性は少し下がります。ストレスは良い緊張をもたらす点で成長に欠かせないものです。人それぞれ、適正なストレスゾーンでは生産性が高水準で安定しています。
この適正ストレスゾーンは、環境が変わると、一旦全体に弱い方向にずれると私は考えています。
新しい環境に適応するためには、まずは環境に関する状況や情報を集め、自分に求められることを理解するなどの”模索のプロセス”が必要です。このプロセスがしっかりできてこそ、自分の行動を環境に合わせて修正していけるのです。しかし、”模索のプロセス”には時間が必要です。その間待ったなしで仕事は押し寄せてくるので、それまで当然できていた仕事の量や質がこなしきれないと感じるのは当たり前のことなのです。
環境変化への適応には概ね3~6か月かかるといわれています。「うちの職場は、そんなに長い間待ってくれない。すぐ立ち上がれない自分はだめだ」と思う方がおられます。現実を確かめると誰も何も言っていないのに、心の中で自分を合格、不合格で判定してしまうことは、自分にストレスを与え、成長を妨げてしまいます。
余裕がない分、その日一日の出来・不出来に心が揺さぶられて、やっぱり自分はダメなんじゃないかと思うこともあるでしょう。しかし、適応に要する時間は人それぞれで、比べることはできません。地道に取り組んでいくことがストレス耐性をじわじわ向上させることにつながります。時には3か月、6か月といった長期の目線で自分を眺めていきましょう。きっと新しい成長や発見に気づくことでしょう。