2月は全国生活習慣病予防月間です。
コロナ禍で食生活、飲酒生活の乱れや運動不足が重なり、生活習慣病の悪化や発症例が目立っているようです。
生活習慣病と聞くとメンタルヘルスとは関係がないように思われますが、ストレスへの反応が行動面で出る場合も多く、飲酒量、喫煙本数が増える、過食に走るなどの生活の乱れが生活習慣病を招くことがあります。
新型コロナウィルスが5類に移行すれば私たちの日常生活は徐々に以前の姿に戻っていくのでしょうが、慣れ親しんでしまった悪い生活習慣やストレス行動を変えるにはどうしたらよいのでしょう?
生活習慣病とは
生活習慣病とは、バランスの悪い食事や過食、運動不足、睡眠不足、嗜好品(喫煙や飲酒)といった生活習慣の乱れによってもたらされる疾患です。代表的なものに高血圧、糖尿病、脂質異常症、心疾患、脳疾患があります。
厚生労働省の患者調査(直近2020年10月)に基づき一般社団法人日本生活習慣病予防協会が発表しているデータによると患者数、有病率は次のとおりです。
① 代表的な生活習慣病の総患者数
② 代表的な生活習慣病の有病率
二つのグラフを見ると、特に高血圧疾患は加齢に伴い急増し、最も多い疾患であることが一目瞭然です。その他の疾患も、加齢に伴う増加がみられ、20~64歳の働く世代の間に予防に取り組むことが重要であることは明らかです。
しかし、生活習慣病は悪化しても自覚症状のない「沈黙の期間」が長いために放置されやすく、突然心筋梗塞や脳卒中になるリスクがあることが特徴です。
「一無、二少、三多」とは
一般社団法人日本生活習慣病予防協会は、日常心がけたい生活習慣として1991年に標語を作りました。それが「一無、二少、三多」です。
一無:無煙、禁煙のすすめ
二少:小食、小酒のすすめ
三多:多動、多休、多接のすすめ
街でみかける喫煙場所はコロナ禍でも密状態ですが、禁煙はだいぶ進んできましたね。「二少」は耳が痛い!という方、多いでしょう。
「三多」とは
多動:体を動かし身体活動量を上げること
多休:しっかり休養を取ること、睡眠・休憩・休日・休暇でリフレッシュすること
多接:多くの人、事、物に接してイキイキ過ごすこと
コロナ禍では「多動」、「多接」から遠ざかる生活を強いられました。休養がしっかり取れたかも疑問です。家にいる時間は増えましたが、モバイルへの依存が高まって睡眠時間は減る傾向といわれています。また、在宅勤務は仕事とプライベートのオンオフがつけにくく、むしろ残業が増えた人が多いと指摘されています。
このままでは生活習慣病が増える傾向が定着してしまいそうです。
仕事や趣味でやりがいを見つけ、人と触れ、心身に良い刺激を与えてイキイキと過ごすことが身体、精神、両面の健康につながると考えられています。丸三年引きこもった生活に慣れて色々なことが億劫になりがちですが、「一無、二少、三多」を胸に刻み、今年は、ストレスもうまくコントロールしてより健康に過ごせるようにしていきましょう❕