まもなくハロウィンですね。行動制限が緩和されて、渋谷が今年、どれほどの人出になるのか、注目されています。
ハロウィンはケルト人の祭りが起源といわれています。ケルト人にとって10月31日は秋の終わりと冬の始まりを意味し、この時死者の霊が家族を訪ねてやってくると信じられていました。家に戻った時に機嫌を損ねぬよう食べ物や飲み物を用意しておくこと、子供たちが死者の魂に気づかれぬよう、悪魔やお化けなどの怖い仮装をするということが由来だったようです。
欧米では子供たちが仮装をして「トリック・オア・トリート」(お菓子をくれないといたずらするよ)と唱えながら近隣を訪れる子供中心のイベントですが、日本では毎年この時期、大人が楽しむ仮装イベントとして定着しています。今日は、魔女に扮装した方がどこかにお出かけになるのをみかけました。
ハロウィンの仮装について日本では、コスプレという範疇で表現の自由が尊重されているようですが、アメリカでは、ダイバシティ(多様性)への配慮が重視されています。文化の違いがよくわかります。
日本のハロウィン仮装のガイダンス
日本のハロウィン仮装のガイダンスというのは、検索できませんでした。表現の自由が優先され、ガイダンスという意味では路上飲酒やごみなど、行動に関する規制がメインのようです。
テーマパークはハロウィンの仮装のガイダンスがあるのではと思い、調べてみました。ユニバーサルスタジオでは2017年に仮装の新ルールがつくられ、「武器状の制作物の持ち歩き禁止」と「入場時、顔が隠れるマスクや被り物の使用禁止」の規制が追加となったようです。
ディズニーランドでは、露出の多い服装、丈が長すぎる・幅が広すぎるコスチューム、顔がわからなくなるコスチュームやメイク、電飾を使用した仮装はご遠慮いただきますとのことでした。
日本のルールは総じて、他者が不安となることのないようという、集団における他者配慮優先のガイダンスのように見受けられます。
アメリカのハロウィン仮装のガイダンス
アメリカにおけるハロウィン仮装のガイダンスはダイバシティ(多様性)への配慮が重視され、日本とは視点が異なります。2020年にニューヨークにある雑誌社(Good Housekeeping)が、特定の人を傷つける可能性があるとして、ハロウィン衣装で扱うべきでないテーマを15項目挙げています。
①ブラックフェイス
②ブラック・ライブス・マター
③ホロコーストの犠牲者
④最近亡くなった著名人
⑤精神疾患のある方
⑥セクシャルハラスメント
⑦摂食障害
⑧動物虐待
⑨ホームレス
⑩国家的悲劇
⑪新型コロナウィルス関連(防護服などを含む)
⑫人の容姿の揶揄(例:肥満体系の女性)
⑬性的マイノリティの方への揶揄
⑭カルチャーに対するステレオタイプ(例:インディアン)
⑮テロリスト
ハロウィンは日本のお盆と同じで、亡くなった死者が家族を訪れるという起源です。自分が楽しければよいという考え方もあるとは思いますが、やはり家族や近隣同士の行事から始まったものということに思いをはせ、他者が不快に思わないよう、節度を保って楽しんでほしいと思います。