この度のKDDIの通信障害、皆様にはどのように影響したでしょう?仕事で、あるいはプライベートで、広範囲の影響に困った方も多くおられたことでしょう。
障害の発生は7月2日土曜日の1時35分からだったそうですが、私が異変に気付いたのは夕方近くでした。
認知バイアスとは、誰もが持っている考え方の偏りや思い込みのことを言います。
「大きな認知バイアスが出ないように気を付けています」という人でも、突然の事態に際して認知のバイアスが強くかかることがあります。
何を隠そう、私自身が認知バイアスのかかった思考に陥ってしまったので、その失敗談をお話をします。
”通信障害が原因”と気づくに至るまでの認知バイアス
私は地方の、人のいない海辺にいました。写真の場所です。そこから同じエリア内の先に電話をかける必要があって電話しましたが、何度試みても「接続できません」のメッセージとなります。
その際、私に浮かんだ考えは以下のとおりでした。
「地方の海辺なので通信環境が悪いのだろう(この時、なぜか知床の事故を思い出しています。何ら関係がないのに・・・)。最寄りの駅まで移動すれば電話はかかるに違いない。」
そこで駅に移動し、再度挑戦です。しかし、かかりません。
次に浮かんだ考えは
「地方の局番の電話のかけ方を間違っているのだろう。」
そこで、初めの0を飛ばして番号を入れたり、はたまた市外局番を除いた番号をかけてみたり、バタバタします。当然かかりません。「接続できません」のメッセージを浴びます。
ネットの検索で公衆電話の位置は探せましたが、ひなびた駅で、公衆電話は近くにありません。散々手を打った挙句に、おや?となり、ネットで「AU 障害」で検索したら大規模障害ということが初めて分かった次第です。如何に私がスマホ音痴であるか、お笑いの話です 😥
認知バイアスの内容
このエピソード、そもそも「通信環境は、あるのが当たり前である」という認知バイアスが強固だったことに起因します。そのため、当たり前を疑う思考は当初、全く働きませんでした 😥
「接続できません」メッセージを浴びたのが初めてだったので驚き、そこから「地方の海辺は通信環境が悪いに違いない」、「地方の局番はかけ方が違うに違いない」と、ひどいバイアスが続いてしまいました。
認知バイアスの悪循環から抜けるには
自分自身を振り返ると、焦りや不安というマイナスの感情が動き、そのため取り入れる情報の範囲が狭くなって認知バイアスが起こり、連鎖を引き起こしたように思います。慌てれば慌てるほど非合理的な考えに陥ってしまうことがよく理解できます。
また、私自身がスマホの扱いに日ごろから苦手感があり、かつ知識が乏しいということも認知バイアスの悪化に影響したと思います。
電話がつながらない原因をもっと冷静に、多様な知識に基づき検討する力があれば、もっと早く、通信障害かもしれないと気づくことができたのでしょう。
最後に
認知のバイアスは、日頃、自分では気づきにくいものです。今回のエピソード、あるいはご自身にとって突然の事態に遭遇した時に、どのような出方をするか振り返ってみると、とても役に立つと思います。
私自身は、日頃からバイアスを持たぬようトレーニングを重ねてきたつもりでしたが、やはり脆さが露呈する場面があるということを改めて認識しました。
さあ、また通信環境があって当たり前の日々となりました。安定的に通信環境を提供くださる方々の日ごろの努力に感謝をささげつつ、通信環境に依存しすぎない自分の在り方も模索していきましょう!