ゴールデンウィークが近づき、忙しさからひと時解放されることを心待ちにしておられることでしょう。

休日は、そのただ只中にあると、あっという間に時間が過ぎるように感じませんか?後で振り返れば、実際には長い時間を過ごしていたと思い出すのに、なんだかもったいない気持ちになります。休日の時間感覚が、実際より短く感じられる現象をホリデーパラドックスといいます。

 

コロナ禍で外出の計画を立てにくく、休日の楽しみを見出すことがなかなか難しくなりましたが、休日がパッと消えていくという感覚を防いで、充実した長い時間を実感できるようになりたいものです。良い方法はあるのでしょうか?

ホリデーパラドックスが起きるわけ

働いている日の私達の日常は、何時に起床、出勤の支度もほぼルーティンが決まって、家を出発、その後仕事、帰宅、就寝に至るまで、様々なルーティンが時間を刻んでいきます。一方、休日は、このような時間を刻む手がかりがなくなり、日常とは異なるスケジュールとなります。このことが休日の時間感覚の違いを生みやすい要因と言われています。

心理学者のダニエル・カーネマンは、脳が何を記憶し、何を捨てるかを選択しているため、経験している自分と、記憶にある自分とには時間感覚の違いがあると考えました。

ホリデーパラドックスが起きる、最も極端な例として挙げられるのがカジノです。窓がなく時計もないので、どれくらいそこで過ごしたかが分からなくなるのだそうです。自分が気づかぬ間に時間とお金を浪費してしまうと思うと、ぞっとします!

さあ、休日をより実りのある時間として経験出来る方法はないでしょうか?

休日を実りのある時間として経験するために~記憶に焼き付ける

コロナ禍で外出しにくいからと、同じ部屋、同じ椅子でゲームやSNS、動画にふけっていませんか?

同じ動作の繰り返しは、時間感覚を短くします。少なくとも場所を変えることで同じ動作の繰り返しを避け、他の、ちょっとした楽しみとなる行動を取り入れてみましょう。

楽しみとなる行動と言っても思い浮かばないという場合は、部屋を移動する合間にあえて休息を入れることも記憶のリフレッシュに役立つようです。頭を空っぽにして、次の動作を新鮮に感じられるよう、自身を整えていきましょう。

いつもの窓から見える風景をじっくり見てみる、こんな行動もよいものです。木々の緑が新鮮に感じられるかもしれません。出来る限り色々な物を見たり、行動し、一つ一つの小さな経験をじっくり味わってみると、様々な記憶が残り、時間がゆっくり過ぎるように感じられます。

在宅勤務の皆さんへ

休日に限らず、在宅勤務の皆さんの中には、日々が単調で時間があっという間に過ぎてしまうとお感じの方も多いでしょう。ホリデーパラドックスの対処法は、在宅勤務の方にも応用が出来ると思います。

日々の仕事のルーティンだけでは時間があっという間に過ぎてしまうと感じてしまうので、仕事と仕事の合間、あるいは家の中の部屋を移動する合間に休みを入れてリフレッシュしましょう。また、昼休みは家の近くを散歩したり、一日の記憶を少しでも多く残せるようにしてみましょう。記憶に残る自分を出来るだけ多く持つ、これが充実感につながります。

さあ、手始めに今度の休みは、良い時間をたっぷり過ごしていきましょう!