小林陵侑選手の金メダル獲得に沸いたのも束の間、高梨沙羅選手のまさかのスーツ規定失格は心が痛みます。
スキージャンプでは、飛びすぎる危険性があることや空気抵抗が飛距離に影響することから、スキー板の長さ、スーツの生地の厚みやゆとりなど、細かいルールが毎年のように変更されています。
スーツについては、1998年長野オリンピックでは、生地の厚さは8ミリまで、生地の素材やパーツの形は自由でした。その後生地の厚さ、ゆとり幅の制限が加えられ、現在は全ての部分で男性は1―3センチ、女性は2―4センチのゆとり幅とのことです。2011年からは風のポイント、スタートゲートポイントも採点に加わりました。
私達が服を買う時は体型に合ったものを買いますが、服に合わせて緩みがないよう体を膨らませないといけないのは至難の業です。スタート時の風やスタートゲートの位置も自分ではコントロールができません。
スキージャンプは様々な環境に対して究極的に自分を合わせなければいけない、大変厳しい競技ということがよくわかります。
金メダルを獲得した小林陵侑選手は、不利な追い風でライバルが飛距離を伸ばせぬ中、うまく風を活かし、着地手前でさらに記録を伸ばしていましたね。圧巻でした。
どんな過酷な環境にも自分をうまく適応させ、その環境に合った最高のパフォーマンスを見せる、それが可能だということを小林陵侑選手は教えてくれました。
一方、まさかの失格で打ちのめされながらも即座に立ち上がり、2回目のジャンプで素晴らしい結果を出した高梨沙羅選手もまた、不屈の精神を教えてくれました。
翻ってビジネス界にも様々な方向から予期せぬ風が吹き上げ、コンプライアンスも年々細かく、厳しさを増しています。
上手く行く時もあれば、結果に結びつかない時もある。それでも与えられた環境の中で、精一杯自分らしく働いていきたいものです。