緊急事態宣言が明けて朝のラッシュが戻ってきました。「割り込まず順序良くお乗りください!」という駅構内のアナウンス、「ああ、またこの日が戻ってきた」と久々の通勤のストレスを感じておられる方が多いと思います。
同じ行列でも、人気スウィーツの順番を待つ行列と、ラッシュの電車の乗る順番を待つ行列、前者の方がストレスが少ないことは明らかです。
今回については、同じ「並ぶ」状況でストレスに違いが出るのはなぜなのか、考えてみましょう。
将来の見通し
1点目は将来の見通しの違いです。
人気スウィーツの行列は、結果として得られるものが喜びに転じることが予想される状況、ラッシュの順番待ちは、待ち受けるのが混雑という苦痛が予想される状況です。
久々の出勤で、コロナ感染不安や人間関係のストレスの再燃というネガティブな将来の見通しを感じる方にとってはラッシュの行列はなお辛いものと感じられるでしょう。
将来の見通しの明暗はこうして私たちのストレスに大きく作用します。
ラッシュの順番待ちの将来展望をポジティブに変える工夫にはどんなものがあるでしょうか?
実は、完全リモートワークとなった方からは、「通勤は大変だったが、今から思えば通勤そのものがよい運動であった。運動不足に悩んでいる」という声が多く寄せられます。「日々の通勤が自分の将来の健康にとってプラスとなる」というポジティブな展望を持つことができれば、日々の行列のストレスは軽減することでしょう。
行為の意味づけ
2点目は行為の意味づけの違いです。
人気スウィーツの行列、自分へのご褒美として並ぶ人もいれば、大切な方へのプレゼントのために並ぶ人もいるでしょう。並ぶ行為の意味付けをしっかり意識していると、長く待っても苦痛は減るものです。
ラッシュの行列についての新しい意味づけを考えてみましょう。
これもリモートワークの方との対比ですが、通勤が無くなり、オンオフの切り替えがしにくくなったという声が非常に多いです。
通勤時間はドラマや読書、音楽に集中し、オフからオンに切り替わるプロセスともなります。行列は、「プライベートの時間を確保する目的」と意味づけを変えることができるでしょう。また、互いに感染不安などを感じながらも頑張って通勤している人達の集団ですので、「よし、自分も頑張ろう」と気持ちを確認する時間ともなるでしょう。
私達は与えられた環境をすぐさま変えることはできません。ストレスを少しでも軽減するために、将来の見通しや意味づけを少しでもポジティブなものに変えるように努めていきましょう。