様々なコミュニケーションツールがあるとはいえ、リモートワークは孤独との戦いです。モチベーションの維持向上のために、どんなことができるでしょうか?「自己効力感」が鍵となるかもしれません。
今回は「自己効力感」とは何か、「自己効力感を高めるにはどうすればよいか」についてお話します。
自己効力感とは
自己効力感とは、「ある結果を生み出すために自分がどの程度出来るかという効力」のことです。心理学者のバンデューラが提唱したもので、学習面でもキャリア形成面でも大変重要な感覚です。
「やればできるだろう」という感覚を持てる時は積極的に行動してみようと思いますが、「頑張ってもどうせ上手く行かないだろう」と思うと行動は委縮しがちでモチベーションは下がってしまいます。
自己効力感の高い人、低い人
自己効力感の高い人には、以下の特色があります。
・業績の向上に向けて挑戦する
・トラブルや逆境を乗り越えようとする
・自分の感情や行動を上手くコントロールできる
・人間関係を良好に保つことができる
一方自己効力感が低い人は以下のようになりがちです。
・すぐ諦める
・モチベーションが上がらない
・チャレンジをしない
・自分に自信がもてない
リモートワークで自己効力感を高めるには
バンデューラは自己効力感を高めるには以下の4つの方法があると考えました。
①直接的達成経験:自分が直接経験した成功体験
②代理経験:モデリングといわれるもので、他人の成功を疑似体験すること
③言語的説得:人から励ましの言葉をもらう、自分でポジティブな言葉を言い聞かせる
④生理的・情緒的喚起:体調を整えたり気分を盛り上げる
リモートワークでは、身近な同僚を観察しながら学習することができないため、代理経験による自己効力感の向上は難しいと考えられます。特に若手社員にとっては痛いことです。そのため、これまで以上に意識的に、代理経験以外の方法で自己効力感を高める努力が大事になると思います。
コロナ禍に即した具体策
直接的達成経験を味わうには、大きくて達成困難な目標よりも、日々の小さな達成経験を積み重ねる方が現状に即しています。
言語的説得は自分のために活用しましょう。業務の様々なリストが一つ一つこなされる都度、大きなリアクションで自分をほめましょう。人からの承認を得にくい分、自分に優しい言葉をかけることがとても大事です。
生理的、情緒的喚起のためには生活リズム、食生活が整っていることが重要です。食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足など生活が乱れると心身の健康が下がります。日々の生活リズムを整え、出来ない事・嫌なことよりも、出来ること、ポジティブなことに目を向けて過ごしてみましょう。
コロナの終息までまだまだ先が長そうです。自分と上手に付き合っていきましょう。