職場ではいつもニコニコ、仕事も一生懸命でタフな人と思われていた人が、急に体調を崩してしまうということがあります。職場に良く適応している様に見えるのになぜ?と思うかもしれませんが、過剰適応と言い、これも不適応のひとつです。
過剰適応になりやすい人の心の内
例えば新しい職場に配置された時、新しい同僚と初めての仕事を進めていきます。当然、異動の際には転入者の方がマイナーですから、挨拶から何から、皆の注目が集まる状況にあります。緊張やプレッシャーがあること自体は当然のことですが、人から自分がどうみられるかをとても気にする方にとっては大変なストレスです。
本当は不安だし、自信がなくて仕方がないのに、弱みを出したら嫌われると思って、しっかりした自分を見せようとしたり、人から嫌われたくないので色々な人に必要以上に気を遣ってしまったりします。
頑張り屋さんですから、しばらくはそうして頑張っていけるのですが、やはり心には無理がかかり、次第にくたびれてきて、体調不良に至ることもあるのです。
自分に心当たりのある方、いらっしゃることでしょう。新しい環境において肩にすごく力が入ってしまう、このような環境変化への適応の仕方は、職場に限らず家庭でも、これまでの学校生活においても同じようなパターンでやってきた場合が多く、すぐそのパターンを変えていくことは難しいかもしれません。
過剰適応な自分を変えていくには
多くの場合、実際には周囲の人との間柄に問題がないのに嫌われていると思い込んでしまったり、わからないことがあるのは当たり前で自分の弱みが暴かれるわけでもないのに「わかりません」と言えなかったり、自分で自分を追い詰めている傾向があります。まずは自分自身の考えや思いを緩めたり、修正したりから始めましょう。
自分自身ではなかなか取り組めないという場合には、誰か、自分が信頼できるキーパーソンを見つけ、その方との関係性の中で少しずつ弱みを見せても平気であることや、わからないことをわからないといって構わないことなど、経験を重ねていけると良いです。特に職場においてはキーパーソンがいてくれるかどうかで、新しい環境への適応プロセスが大きく変わります。
信頼している人との間で修正体験が得られたら、「ありのままの自分で構わないんだ」と少しずつ自信が身についてくるでしょう。カウンセラーとのカウンセリング体験もこうしたプロセスを通ります。
職場においては自然体というわけにはいかないものですが、生活の場であるわけですから自分らしさを出していけることもキャリアのひとつの達成となります。
前回も不適応の話をしましたが、環境変化から3か月~6か月ころは体の不調に表れやすいものです。どうぞお気をつけてお過ごしください。