緊急事態宣言の解除に伴い、在宅勤務から元の通勤に切り替わる会社も多いことでしょう。現時点で多くのサラリーマンが不安になるのは、通勤ラッシュではないでしょうか。

在宅勤務期間、一旦通勤ラッシュから解放された人が再び通勤ラッシュに戻ると、当初大変大きなストレスを感じる可能性があります。そのことを馴化(じゅんか)、脱馴化という観点からお話していきます。

馴化とは

馴化とは、ある刺激が繰り返し呈示されると、刺激に対する反応が徐々に減少していく現象のことをいいます。

例えば電車の中で眠っている人がどうして眠れるのか、考えてみましょう。

①電車に乗り始めた時にはガタゴトいう音や大きな揺れが気になり、意識がそれらの刺激に集中する

②音や揺れを繰り返し感じるうちに慣れて気にならなくなる(馴化)

③眠気を感じる

脱馴化とは

脱馴化とは、ある刺激に馴化したところで別の刺激を与えると、元の刺激に対する反応が復活する現象のことです。馴化した状態から脱するので脱馴化と呼ばれています。

先の例では、

①電車の音や揺れに慣れて眠っている(馴化)

②急ブレーキで大きな揺れを感じて目が覚める(別の刺激)

③電車が動き出すと、乗り始めと同じくらい音や揺れを感じる(脱馴化)

久々の通勤ラッシュのストレス

私たちは日々通勤を繰り返すことで様々な不快な刺激に馴化してきましたが、在宅勤務という休止期間を経て再び刺激に出会うことになります。その際、それらの刺激は、初めて通勤ラッシュに遭遇した時のような強いストレスとなる可能性があります。

これもやがて馴化によって和らいでくる可能性はありますが、しばらくの間は通勤自体に身体的、精神的疲労を感じることでしょう。

職場における生産性発揮に焦るところと思いますが、通勤はサラリーマンのストレス因の中でも大きなものですから、まずは馴化するまでの期間をうまく乗り切りましょう。