連休明けの今週、休みをどう過ごしたか同僚と話して、海外旅行に出かけていた人なんかが登場すると、「ああ、いいな、うらやましいな」と感じたりしませんでしたか?私は最近のニュースで四季島という豪華寝台列車を知り、乗りたいと思うわけではありませんが、そういう旅ができる方たちをうらやましく思いました。

さて、皆さんの会社では昇格の時期を迎えたでしょうか。同期入社ほぼ全員がマネジャーになれるという会社、もしかしたら今なお沢山あるのかもしれませんが、私の印象では10年、20年前と比べると、若い職員のマネジャー昇格の門戸は狭まっているように感じています。

マネジャー手前までは横並びでやってきて、マネジャーに上がるかどうかというところで、「何で自分が上がらず、あの人が?どう気持ちを立て直せばいいか」と行き詰まりを感じて来談なさる方、多くおられます。

 羨望(envy)の肯定的側面と破壊的側面

「次こそ自分も昇格するよう頑張ろう」と、自分もその人が持つ業績、収入を得ようと渇望し、それが動機付けとなっていけば、成長につながります。これが羨望(envy)の持つ肯定的側面です。

しかし、「何であの人が?」と、その人が楽しんでいることを怒り、相手が持つものを失えばよいと願って悪口や攻撃で貶めようとする気持ちまで出てくる場合は要注意です。これは羨望(envy)の持つ破壊的側面です。

破壊的な気持ちとなってしまう背景には、昇格という目標が見えなくなり、自分の支えを失った、自分は大切な存在ではない、人より劣っている、不安で仕方がないなど、大きな喪失感、絶望感があります。攻撃的な気持ちはその性質上、どうしても相手への関心に向かいますが、そうなってしまう自分の傷つきを、まず十分にケアすることが大切です。

何かを得ることにこだわりを持って働くことや、競争心を強く持つことはサラリーマンとしては大事な資質でもあります。けれども、破壊的な羨望(envy)に突き動かされている間は、仮にそれが手に入ったとしても決して満足することはなく、いつまでも不幸な気持ちになってしまいます。

うらやましい気持ち、自分の成長の糧とできるようにしていきたいものです。