半年で完結する朝の連続テレビ小説「まんぷく」(NHK)も終わりが近くなりました。

度々事業に失敗しながらも、インスタントラーメンやカップヌードルなど既成概念を覆す新商品を次々に発明していくストーリー、ワクワクしながら見てきました。

ひらめく瞬間

立花萬平さんは寝ている間にひらめき、それをノートに書き留める、長男の源さんはフリーズドライという手法を論文で知り、初めて実用化することを発案する、と“ひらめく瞬間”も描かれていましたね。

働き方改革、生産性向上を目指す中で、より短い労働時間で高い生産性を実現する鍵ともなるひらめきや創造的思考、あやかりたいものです。

創造性テスト

心理学者のジョイ・ギルフォード(1897-1987)は知能の研究で有名な心理学者です。

「矢田部ギルフォード性格検査(YG性格検査)」は採用試験でも広く使われていますので、受けたことあるという方、あるいは聞いたことあるという方もおられることでしょう。

実はギルフォードは、創造性のテストを初めて行った人でもあります。

レンガテストといって、レンガ1個の使い道を15分で50通り考えるというものです。平和な現代においては遊びとも思われるようなテストですが、実は命という重みを負ったテストでした。

ギルフォードは戦時下の空軍において、問題が生じた際に予想されるような解決法しか浮かばない軍人たちが敵に容易に推察され、命を失ってしまったという深い悲しみを経験しました。そして、新しい問題が提示されたときに予想外の解決策を即座に見出すことのできる能力を持つ創造的な人材が必要と考え、それを見極める方法としてレンガテストを考案したということです。

創造性の6つの因子

ギルフォードはテストの結果をもとに因子分析し、創造性の因子には次の6つがあると述べました。

① 問題点に対する感受性:問題点を発見する能力

② 思考の流暢性:生成するアイデアの量

③ 思考の柔軟性:異なるアイデアを広範に生成する能力

④ 独創性:ユニークな答えを出す能力

⑤ 綿密性:具体的に工夫し完成させる能力

⑥ 再定義:ものを異なる目的に利用できる能力

そうそう、まんぷくでは、萬平さんの妻の福子さんも、主婦という消費者目線での問題点の発見や台所の調理用具の意外な使い方など、度々していましたね。

これらの因子に照らすと、萬平さんは①から⑥までカバー、福子さんは①の問題点に対する感受性の高さや⑥の再定義、長男の源さんは、⑤の綿密性や⑥の再定義において創造性を発揮したということになりそうです。

もちろん、萬平さん率いる部下の皆さんもそれぞれの持ち味で①~⑥に貢献してきたようです。こうみてくると、多様性ある組織力、家族力が大きな創造性を生み出したことがよくわかります。

生産性向上とひらめき

皆さん、上から、とにかくアイデアを出せ出せとせっつかれていませんか?

萬平さんのようなタイプももちろんおられるとは思いますが、ギルフォードの指摘する創造性の因子には多様性があり、私たち一人一人の持ち味を生かしたひらめき方というのも可能だと思います。

一人で煮詰まっていたらチームメンバーや家族と話しながら問題解決!目指していきましょう。